母親の胎内から出てきた日数が28日未満に該当する子どものことを新生児といい、呼吸や体温などが不安定な状態にあるのが特徴です。健康状態が比較的良好な正常分娩で生まれた新生児でも、いくつかの問題を抱えていることが少なくありません。身体の機能が未発達な状態で生まれてきたり、大腸菌などの感染症を引き起こしやすいかったりと身体的な問題を抱えていることがあるのです。また、母乳での栄養素確保が不十分な問題、母親との関係を確立できないなどの外的な問題が発生する可能性があります。

このような観点から、原則として新生児のケアは看護師や助産師が行うのです。そのほか、母乳の代わりに人工乳を与えたり、母親の精神的なケアを行ったりなども看護師の役割となります。

新生児に対するケアの問題点については、課題ごとに目標と計画を立てることが重要となってきます。たとえば、身体の機能が未発達である問題については、呼吸などの器官が安定することを最終的な目標とするのです。そのうえで、バイタルサインのチェックを定期的に行ったり、着衣で体温調整を行ったりと、具体的なケア項目を設定します。

感染リスクの問題なら、新生児に対して使った医療器具の消毒や手洗いを徹底といったものが、設定するケア項目となるでしょう。新生児を抱える母親に対する課題としては、母親がゆっくりと休める環境を作り、子どもの発達や育児に対する不安を取り除くことが優先的なケア項目です。